
レイ・クリンギンスミス会長からのメッセージ
ロータリーとは何か。ロータリー・クラブとは何をする団体なのか。ロータリアンは、会員候補者やロータリーに関心を
持っている人々からこういった質問をよく受けますが、簡潔に数分で、しかも効果的に答えるのは難しいものです。
ロータリーの第一標語である「超我の奉仕」は私たちの利他的な性質をとらえてはいますが、先の2つの質問に答えてくれ
るものではありません。そこで私は、「ロータリアン以外の人々にロータリーの目的を説明すること」と「ロータリアンに
ロータリーの原則の重要性を再確認してもらうこと」、この2つの目標を満たす簡潔なテーマを探す決心をいたしました。
そして適切な言葉を探す上で、四大奉仕部門を再検討していたところ、クラブ奉仕と職業奉仕はどちらも人生を謳歌し、善
き市民となるよう私たちを導いてくれるものであると気づいたのです。また、社会奉仕と職業奉仕を合わせるなら、地元の
地域社会をより住みやすく、働きやすい場所にすることができるでしょう。一方、国際奉仕は、国や大陸を異にする海外の
クラブと協力し、世界理解、親善、平和を広め、世界をより良い場所にするための機会を、私たちに与えるものです。
ロータリーが、ロータリー・クラブの連合体であると同時に、奉仕の精神から成り立っていることを忘れてはなりません。
私たちは、「奉仕」「親睦」「多様性」「高潔性」「リーダーシップ」というロータリーの中核となる価値観を分かち合う
必要があるのです。ロータリーの真髄を表す多くの語句を検討した結果、ロータリーの現在の使命を表し、私たちの業績を
強調するために、私たちが得意とすること、すなわち、次のテーマを最終的に選びました。
地域を育み、大陸を
つなぐ
この簡潔な語句が、ロータリアンとしての私たちの存在と私たちの活動を的確に言い表すものであると
賛同していただけることを願っております。ロータリーは世界でも比類のない優れた組織です。私たちは、地元地域社会の
精神とリソースを育んでいます。また、住みやすく働きやすい世界をつくるために、世界中の人々の善意をつないで協力と
支援を得ることにかけては、世界でも私たちの右に出る団体はないでしょう。エド・カドマン元会長の言葉どおり、「ロー
タリーは、画一化ではなく、結束である」のです。ロータリアンである私たちは、誠に恵まれています。
ロータリ
ー・クラブと地区の功績、そしてロータリーの華々しい成功を祝う今、忘れてならないのは、ロータリーを世界の桧舞台に
送り出すために惜しみない努力を払ってきた無数のロータリアンの遺産の上に、今の私たちがあるという事実です。私たち
にはロータリアン諸先輩という模範があります。皆さん、私がロータリーの例会に出席してきたこの50年間、率先して活動
してこられた方ばかりです。
そうです、ロータリー奨学生となったときからさかのぼって、ロータリー歴50年と言
えることを、私は誇りに感じています。故郷ミズーリ州の小さな町、ユニオンビルのクラブの賢明にして寛大な計らいによ
って、奨学金申請の推薦を受けてから南アフリカへの留学に向けて出国する日まで、私は無料ですべての例会に出席させて
いただくことができました。私が生まれ故郷初の留学生となれたのは、ひとえにロータリーのおかげです。 これまで5万
人近くの奨学生が私と同じ機会を享受し、およそ6万人のGSE チームメンバーが別の国、あるいは別の大陸で学ぶ機会を得て
きました。それだけではありません。10万人以上のロータリー青少年交換学生が、母国を離れ、海外のホストファミリーのも
とで暮らしてきました。また、ポリオという身体の自由を奪う病の感染者数の減少にロータリーが大きく貢献してきた事実に
ついても考えてみましょう。昨年の感染者は2千人以下で、1979年の50万人という数字と比べると、世界的に99.9パーセント減
少しています。今、私たちは世界史上最も悲惨な病気の一つに数えられるポリオを撲滅しようとしているのです。さらに、クラ
ブとその会員は、毎年、ロータリー財団へ行う寄付の推定10倍の資金を地元地域のプロジェクトに費やしていることも、忘れて
はなりません。社会奉仕プロジェクトの年間支出は、何十億ドルという金額になるはずです。
こうした驚異的な数字を
思えば、今現在、ロータリアンであることの素晴らしさを誰もが実感することでしょう。実際、世界を本当によりよい場所にす
るために時間と才能を捧げるのに、ロータリーほどふさわしい組織がほかにあるでしょうか。ともにロータリーに対する誇りを
確かめ合う一方で、皆さんの責務が大きく変わることにも目を向けてください。皆さんは、間もなくロータリーのクラブの指導
者となられます。わずか5カ月後には、最も優れた組織としてのロータリーの地位を保ち続けるだけでなく、さらなる高みへと
引き上げていく責務を、私たちは共有することになります。成功は、皆さん一人ひとりがどれだけの時間と才能を捧げ、地区内
のクラブのために、友として、相談相手として、また応援団長として力になる覚悟があるかに、大きくかかってきます。船団は
最もスピードの遅い船に合わせて進みますが、ロータリーにも同じことが当てはまります。ですから、ここにいらっしゃる全員
が全力で進んでいく必要があるのです。百年前の1910年8月に初のロータリー・クラブ大会を開催した国際ロータリーが奉仕の新
世紀に乗り出す中、遅れを取り、ロータリーという船団の速度を落とさせるようなことがないようにしなければなりません。
リーダーの素質を備えた皆さんに、リーダーとなる意志があるならば、必ずやロータリーにさらなる栄華がもたらされることで
しょう。時間と労力という代償を払う覚悟が私たちにあるなら、きっとできます。120万というロータリーの会員数は、世界人口
が60億人であることを考えれば、小さな数字かもしれません。しかし、著名な文化人類学者、マーガレット・ミードの貴重な助言
を思い起こしてください。「思慮と熱意のある少人数の人々に世界を変えることなどできないとみくびってはいけない。実際には、
それが世界を変える唯一の方法なのだから」そうです、私たちは世界を良い方向へと変えてきたのです。そして、今後も変え続け
ていくのです。現在のような不況下にあっても、さらに良い変化をもたらすことができるでしょうか。「イエス・ウィー・キャン」、
私たちにはできます。そうです、私たちはともにやり遂げます。やり方はシンプルです。来る年度を成功へと導くために必要なのは、
ロータリアンが熱意を抱き、世界一得意としていること、すなわち「地域を育み、大陸をつなぐ」ことに専念するよう、力の限り、
クラブと地区を励ましていくこと、それだけなのです。
レイ・クリンギンスミス
2010−11年度国際ロータリー会長
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